「うっ……」
私は目を覚ました。すると、私のおでこには冷えピタが貼ってあって服も着せられていた。
「あ!!目覚めたんだ。大丈夫か?」
朔くんが現れた。でも、朔くんを見ると思い出してしまう。あの日のことを……。
やっぱり男子は私みたいに地味な女より咲子みたいな可愛い女の子の方がいいんだ。
私は自信をなくしてしまった。
まず、小学校の時にフラれてから朔くんのことなんてなんとも思っていなかったのにこの胸の痛みは何?
もう、朔くんのことは吹っ切れてるはずなのに胸がいたい。
咲子が朔くんを好きになって、朔くんが咲子のことを好きになったのなら友達として幼馴染みとして応援しないといけない。
意外に二人お似合いかもしれない。
そう思いたいのに……。応援したいのに…。心の奥の私はそう思っていなかった。
「大丈夫か?もし、何だったら……」
朔くんは何もわかってない。私がこんなに辛くて、苦しいのは咲子と朔くんが二人であってたあの日からなのに。
「なんでもないよ。」
私はそう笑顔で言った。今はそっとしておいてほしかったから……。
これ以上自分を…自分が壊れていくのを感じたくない。
「なんでもなくないだろ」
もう、やめて。今は嫌だ。朔くんの声……聞きたくない。
「本当になんでもないから!!」
私は怒鳴ってしまった。無意識だった私は言ったあとに気づいた。
私はなんてことを言ってしまったのだろうと後で後悔した。
朔くんは私のことを心配してくれているのはわかっているのに……。
でも、今は自分じゃない自分を見られたく………ない。
「わかったよ。ここに夕飯置いておくからな」
朔くんはそう言ってご飯を置いて出ていった。
きっと、嫌われた。まあ、小学校の時のからか…。

