私はあの後家に帰ってきた。
朔くんとも今は、咲子とも顔を合わせたくない。
そう思った私は家に帰ってすぐ部屋に閉じこもった。
「ただいま」
朔くんが帰ってきた。
私はとても戸惑った。このままでは朔くんに会ってしまう。
「舞ちゃん、お風呂先に入ってくれる?」
朔くんのお母さんにそう言われてすぐにお風呂にいく準備をして、お風呂場に向かった。
チャポン!
「はあー、どうして、こんな気持ちになるんだろう…」
私はお風呂で呟いた。
しばらくたって私はお風呂を出ようとした。
その時、気づいた。慌てて入ってしまったから、お風呂後に着る服を持ってくるのを忘れてしまったのだ。
でも、今出る訳にはいかないと思って私はそのままお風呂の中にいた。
さすがにもう、限界がやってきた。
「久留巳?大丈夫か?」
朔くんの声が聞こえた。
でも、どうしよう。今出たら朔くんに会ってしまう。でも、このままいると限界を超えて迷惑をかけてしまう。私はお風呂から出て、タオルを巻いてドアを開けた。
「く、く、くるみ?なにやってんだよ!!」
朔くんが焦っているのが見えた。
「ごめん。上の服を持ってくるの忘れちゃって………」
私はそう言うと背景がぼやけてきた。
「久留巳?しっかりしろ!!」
私が聞こえたのはその言葉が最後だった。

