これは俺の中での賭けだった

考えさせてって言われた時は正直驚いた
完全に予想外の答え

俺がやり直そうっていったら、ゆかは泣きながら「うん」って言うと勝手に思い込んでいた

今思うと、考えさせてなんて普通な答え
俺、どんだけ自信過剰なんだよ…
ゆかは俺に惚れてるからなんて、バカな考えだよな


昨日来ると思って片付けた部屋
1人の空間が辛い
「1人」なんてザラにあったし、ゆかに出会う前まではいつもだった
慣れてるはずなのに…

この部屋で1人でいるのが、こんなにも辛い
寂しくて、苦しくて、胸が締め付けられる

泣きたい…

そう思うと、ふと浮かんだ、昨日見たゆかの泣き顔

余計締め付けられる胸は、耐えられなくなって、無理やり昨日の記憶を頭から消そうと代わりの記憶を探る

けれど…

蘇る記憶は全部、この部屋にゆかがいた時のこと
頭から離れない
あの時見た涙は、何よりも俺の中に突き刺ささった
そしてあの時見た顔は、写真のように、ハッキリ俺の記憶に刻み込まれた


初めて抱いた感情だった

心臓が張り裂けそうなほどの痛み
どうしようもできない
どうしようもできないからこそ、辛い
その涙を流させているのは俺だと思うと、自己嫌悪なんてもんじゃない…
言葉にできないくらい自分に対しての絶望を抱き、呆れ、情けなすぎて希望のない世界へと引きずり込まれていく

ゆか、その涙の原因が俺なら、俺にその涙を止めることはできるか?

俺の趣味は、寝ること
いつも呆れられるくらい寝てる
でも今の俺は布団に入っても、寝れやしない

くそっ、なんなんだよ