この一瞬の出会いが俺の女への嫌悪感を捨て去った。


と言ってもあの女を限定だが。


何にも心を動かされなかった俺が1人の女が気になり、あの日から3ヶ月も経つのにあの女を探してしまう。


俺の力を使えば見つけ出せる可能性もあったが、あえてそうはしなかった。


俺が、1人の男としてあの女を探したかった。


何故かまた会える気がししていたからかもしれない。



今までは女優、モデル、令嬢、一流の女を相手にしてきた。


それなのに俺が引かれたのは何てことない女。


どことなく闇を抱えた女だった。


何も知らないのに追いかけてる自分がイカれたのかとさえ思えてくれば自然と笑みがこぼれる。


まだ俺にも感情があったのかと。


「ふっ、」


「皇成?どうしたの?」


助手席から顔を出した俺の右腕の魁斗。


「いや、なんでもねー」


「顔がニヤけてるけど?」


「……会いたい女がいるんだ…」


ぼそりと呟き日課の様にまた窓の外に目をやり女を探す。


助手席の男の目が見開かれ絶句している様は見なかったことにしておく。


何にも興味を示さなかった俺の発言にびっくりするのは当たり前だからな。


どこにいる?


どこにいようとも探し出すけどな。


不思議と俺を待ってる気がした。