優しい闇

「やっと目覚めたと思ったら俺を怒鳴りつけるのか?」


鋭い目ながら表情は緩んでいる男に静音は戸惑った。


「えっと…あのー…」


こんな綺麗な男性がなんで私を抱えてるの?


それよりここはどこ?


私どうしたんだろう?


思い出せない…


「一週間も寝てたんだ。頭が働かなくて当然だ。とりあえず風呂に入ったら説明してやる。そのずぶ濡れをどうにかしろ、目のやり場に困る」


目のやり場?


静音は自分の姿を再確認してみると真っ白いシルクのパジャマから胸の輪郭が浮き彫りになっていた。


「キャーーーーー!」


腕の中で大声を出し大暴れした私に男は眉間にシワを寄せたが、それでも楽しそうに大笑いしていた。


「それだけ元気なら大丈夫だな?」


そう言って無駄に広いお風呂へと連れて行き、渋々と言った感じで私1人でお風呂に入ることを許可してくれた。


ただし、ドア越しに男が待機してる事を条件に。