優しい闇

リビングで皇成はこの前の発砲事件の報告を電話で受けていた。


案の定俺のタマを取ってのし上がろうのした馬鹿なヤツらの仕業だった。


勿論その組みは潰し、頭共々制裁を下したがな。


クソ面白くもねー


そんな時寝室から物音がした。


俺は電話を放り投げて寝室へと向かう。


何故だかワクワクした気持ちへと変わり心臓が早鐘を打つ。


ガチャ!


「おっ…お前…」


入り口の前で皇成は立ち尽くした。


一週間も寝たきりだった女が頭から洗面器の水をかぶりずぶ濡れ状態。


「あっ…」


微かな女の声。


「とりあえず着替えないとな。クックッ」


やっと目覚めた嬉しさと、無防備な女の表情に顔が緩む。


「あのー…私…キャッ!」


「風呂行くぞ」


横抱きにし皇成はさっさと歩き出した。


「すいません、私…下ろしてください。何が何だか分からないんです…」


やっと声らしい声が出た。


「あの、すいません!!!聞こえてますか?」


私を軽々と抱き上げた男は何故か笑ってる。


なに?なんなの?!


てかお風呂って…


「おろして!」


思わず叫んだ私に目を見開いた男が立ち止まった。