優しい闇

静音はユックリと瞳を開けた。


目の前には見慣れない天井。


「ど、どこ?」


声にならない声で囁くも誰も答えてくれる人はいない。


体を起こそうとしても言うことをきかない。


高そうなベッド。


キングサイズってこんなに大きいんだ。


暗くて色までは分からないけど真っ白な清潔そうなシーツなのは分かる。


ほのかにムスクの香りがする。


この香りどこかで嗅いだ気がする…


横に顔を向ければサイドテーブルにタバコと灰皿。


それと…


洗面器?


私なんでここにいるの?


広い部屋にはベッドだけ。


動かない体を無理に起こし、この状況を何とか把握しようとベッドサイドに座った。


ひどいめまいに襲われながらも歩こうと立ち上がった瞬間崩れ落ちてしまった。


ガッシャン!


「キャッ!」