穏やかな海。


白い砂浜。


真っ青な空。


綺麗な満月。


あれ?満月?


それも夜みたいに輝いてる。


後ろを振り向けば穏やかな波が何度もおしては返す。


自分がいる場所は四方10メートル程。


どこかのカレンダーに出て来そうな場所。


静音はまた満月を見上げた。


死んだのかな…私…


そんな風に思えるくらい静かで安らぐ場所だった。


こんな安らいだ気分は初めて。


夢だったら覚めないで欲しい。


けど、海の夢なんて荒波で逃げ切れない夢しか見た事ない。


だから夢じゃない。


それならずっとここに居られるのかな…


そっと砂浜に横になりながら瞳を閉じた。


そよ風が頬を過ぎ微かにムスクの香りが鼻をかすめた。