リビングでコーヒーを飲みながら決済報告書を聞いていたがほぼ頭には入ってこない。


そんな俺を知ってか魁斗はまた明日会社でと言い残して帰って行った。


表の顔は大会社の社長、裏の顔は極道の若頭。


そんな俺の補佐役は表も裏も魁斗。


そんな魁斗が帰る場所は同じマンションのすぐ下の階。


このマンションも神楽コーポレーション所有であり、高層マンションの最上階は俺だけのフロアー。


すぐ下は魁斗と俺の側近の3人が住んでいる。


前面ガラスばりのリビングからは綺麗な夜景が見える。


普段夜景なんて興味もない皇成だったが、目を覚ました女がこの景色を綺麗と囁くか、いや、その前にこのまま返したくなくて繋ぎ止める術を模索していた。


「こんな弱い俺もいたんだな」


1人苦笑いを浮かべ寝室へと向かった。