繁華街の外れにあるビルの前に黒塗りの高級車が止まった。


3ヶ月前までは一階にエステサロン、ブティック、高級ブランド店、二階に飲食店が数店舗、3階から10階までが賃貸マンションとしていた。


それを取り壊してホテルにしようと思ったのはここ最近それなりの富裕層連中が豪楽にくる頻度が増えたからだった。


金をふんだんに落とすのは金持ちだ。それも親が金持ちの馬鹿な子供。


入り口前でビルを見上げれば満月が見下ろしていた。


「さっさと開けろ」


未だにナンパ出来なかった悔しさから落ち込んでる魁斗に指示した。


すぐさま大量の鍵の束から入り口の鍵を探し当て、建物の中の電気をつけた。


入って右側に螺旋階段とエレベーターがある。


皇成は螺旋階段へと足を踏み出した。