皇成は苛立っていた。


昼間は何処ぞの令嬢とのお見合いじみた食事会に付き合わされ、夕方になれば組関係の娘に言い寄られ、夜になればクリスマスパーティーだとぬかしてる奴らに呼び出され向かっている途中だった。


「魁斗、何で断らなかった」


助手席に座る俺の右腕の魁斗に八つ当たりをする。


いや、八つ当たりじゃねーな。


こいつが断ればいい話だったんだからな。


「断れる訳ないじゃん!表向きは神楽コーポレーションの社長なんだよ、皇成は。重要な取引先との結びつきも大切だしね、バカ娘息子でもさ」


顔を歪める辺りは魁斗も面白くないんだな。


「チッ」


それ以上は何も言わず、恒例の女探しをしていた。