入口がわかんない、何番にいるかんないって電話越しで声をあらげてたまに笑って


こいつ喧嘩売りすぎって思った。自分の方が立場が上って頭しかないような低レベルな奴なのかって固定概念をつけた。


「何番におると?」

「〇〇番」

どこやって言いながらゆういちは走っていた。私は壁にもたれかかってしゃがんで目を閉じていた。疲れてて眠かったから。

うるさいマフラーの音が遠くから聞こえてきた。絶対このうるさいのだ。そう思った。4本出しのマフラーって電話で何回も聞いたから。

「あ?どこや…あ、おった!」

私は結局40分くらい待たされていた。眠いし、寒いし、来るの遅いしでイライラしてた。

「荷物取りにきてよ」

キャリーケースが重かったから本当に引っ張りたくなかった。

「は?むり。俺車から降りられないけん」

取りにきてよって何回いったかわかんないけど降りてこなかった。こいつ遅れた癖に態度でかくね?まじウザって思った。

車の前まできて後部座席の方のドアを開けた。

「ねぇ、キャリーどう積めばいいの?」

はじめましてどころじゃなかった。イライラの方が大きかったから。適当にって言われたけど積むには持ち上げなきゃ入れられなかったからゆういちにやらせた。