「翔瑠ー、早く行こー」

親友の結菜が私を呼んだ


「あったあった。ごめんね結菜」

ずっと探してた音楽の教科書をロッカーから見つけ出し、廊下で待つ結菜の元へと駆け寄る


「あってよかったね。音楽って持ち物チェック厳しいんだよね」


つい先週、忘れ物をした結菜は苦々しく笑った


「ホントによかったー」

私は安心して結菜と音楽室へ向かう