南くんが顎に手を置いて真っ直ぐに私を見る。 そんなに真っ直ぐに見てくれたの、初めてかもしれない。 ドキドキする胸を押さえながら、私の答えは決まった。 「追いかけます!」 「今からじゃ遅いかもよ?」 「負けません!」 私の答えを聞いて、ふっと声を漏らす。 あ、また微かにだけど笑った。 胸がキューっと締め付けられる。 「絶対に南くんと同じ大学に合格してみせます!」 「ふーん。 ま、頑張りなよ」 そう言うと立ち上がった南くん。