南くんの前に回って帰るのを阻止する。 じっと南くんを見つめ続ける。 顔を逸らして面倒くさそうな顔をする。 それでもいいの。 今南くんの瞳に私が初めて映ってるんだから。 「天野月姫ね。 憶えたから」 私を一瞬見てから「じゃあ」と言って私の横を抜けて歩き出す。 その直後、足に力が入らなくなってその場にへたり込む。 好きだ。 本当に大好きだ。 見てるだけでいいと思っていたけど、近づいたらこうやって視界に入ることができるんだ。 見てるだけの何倍も嬉しかった。