「大好きな場所が、できたんです・・・。ここ以外にも・・・私の事を愛してくれる人が・・・いたから」

「その人のところに、戻りたいのね」



どれだけの事を、理解してくれていたのだろうか。
ポタポタと大粒の涙を零しながら話す梨乃の言葉に相槌を打ちながら優しく微笑んでくれる。




「でも、・・・ここに来れてよかった・・・。最後に、ちゃんと・・・お礼が言いたかったから」

「お礼・・・?」

「覚えていないと思うけど・・・。私を、大切にしてくれてありがとうございました・・・」




二人に向かい、深々と頭を下げる。
きっと、その意味は分かってもらえないだろう。

それでも。



「二人の事、絶対に忘れません・・・」