婚約発表があり、正式にシドが次期国王へ近づいたことにより、城下はいつも以上に賑わいを持っていた。



お祭り騒ぎのような賑やかさが城にいる梨乃たちの耳にも届いていた。




「城下では、婚姻の儀はいつかと盛り上がっているようですよ」

「こ、婚姻って・・・」



速い展開に梨乃は戸惑うが、もちろん嫌なわけではなかった。




「ですが、早めにしてしまってもよろしいかと、国王は考えておられるようですよ」

「え・・・」

「その方が、シドも責任感というものが今以上に生まれるかもという狙いもあるみたいですがね」



クロウの言葉に、そっか、と考え込む。
シドの肩には、たくさんの責任と重圧がのしかかってくることになるんだ。


そんな大きな決断をしてくれたのだと改めて痛感する。