「だから、もう部屋に戻れ。これ以上お前といて、我慢できる自信ない」

「・・・もう」




するすると梨乃の身体をなぞるように落ちていく手。
そのまま梨乃の手をぎゅっと握った。




「ずっと、この日を夢見てたんだ」

「うん」

「ようやくこの日が来た。これから、ずっとお前と一緒だ」

「シド・・・」

「だから。安心して休め」

「・・・うん」



一度ギュッと縋り付いた梨乃の身体を抱きしめ。
名残惜しげに離れる。



「おやすみ、シド」

「ああ、おやすみ」



触れるだけのキスを交わし梨乃が自室へと戻った。