諦めないといけないと思ってた。 認められることのない想いだと。 それでも、想いは消せなくて。 募る気持ちは、好きばかりで。 「―――はい」 涙に濡れる声でそう答えた瞬間、シドの腕が梨乃の身体を抱きしめた。 強く、強く、確かめるように。 梨乃もシドの背中に手を回し、その温もりを感じる。 シドが、ここにいる。 夢じゃない。 ここに、いるんだ。 歓声はどこまでもとどまることを知らず。 二人の再会を誰しもが喜んでいた。