「・・・すみません、このような話を」



そう思ったら、思わず口をついて出た謝罪の言葉。
梨乃はクロウを見上げ、首をかしげた。




「え、どうして?意味を知ってみると、また違って見れて楽しいね。ありがとう、クロウ」

「プリンセス・・・」




にっこりと輝かしいほどの笑顔が向けられ、クロウは目を見開く。
どうしてこんなにも素直で、純粋で、まっすぐなのだろうかと。


だから、彼女を護りたいと強く思ってしまう。




「お祭り、見てみたいなぁ」

「そうですね」



間違っていないだろうか。
自分がすることは。


梨乃と向き合うたびいつも思う。
苦しめていないだろうかと。


追い詰めてはいやしないだろうかと。





「おかしいですね、教育係をしてきて・・・初めてですよ、こんな気持ちは」




誰にも聞かれないほどの小さな声で、呟いた。