「私、もっとプリンセスらしくなれるように頑張るね」

「プリンセス・・・」

「お前な・・・」

「え?」

「お前は、それ以上頑張らなくていいんだよ」




不機嫌そうなシドにビシッと言われ、梨乃は驚きに目を丸くした。



「まったく、お前は話し方をもう少しどうにかしなさい」

「う、うるせぇな。わかってるよ」




クロウが頭を抱え、眉を寄せる。
シドはそんなクロウを見て、悔しげに肩を竦めた。




「・・・ですが」



しばらく黙っていたロイが口を開く。




「あの国王、なにか様子がおかしかったと思います」

「・・・ええ」

「様子?」

「プリンセスへの視線に、少し妙なものを感じた」



考え込むように口元に手を当て険しい表情を浮かべる。