気がつくと、家のベッドにいた。

(夢...?それにしても、リアルだったなあ。)

そういえば私、ゆかことお弁当食べてたんだっけ...

…あれ?そうだ!ゆかこだ!

無我夢中で階段を降りて、お母さんの元に駆け寄った。

「お母さん、私って学校でなにかあったの?」

必死に聞いても、精神異常者扱いになるだけだ。

「ええ...?ああ。あんたの友達の子が倒れたーとかなんとかで送ってきてくれたわよ」

(ゆかこ、私の家なんで知ってるんだろう。先生に聞いたとかかな?
いや、ゆかことは限らないな。)

「そ、そのこってどんなこだった?」

「そうねー。。髪の毛がふわふわで色白い子だったわね!あと、痩せっぽい子だったわ」

ああ。ゆかこだ。

ゆかこしかいない。

「ふーん。そうなんだ」

素っ気ない返事をしてすぐ部屋に戻った。

「ゆかこーーーーー。ゆかこは、どんな子なんだろう。前はどこの中学だったのかなあ。好きな人とかは?好きな歌手は?」

聞きたいことがたくさんある。

「まあ明日お礼をゆうついでに、いっぱい聞こう!」

(ズキッ)

「ん?なんだ...あっ!今日のゆかこの爪が食いこんだ傷だー。。
血出てるし...あの子どんなけ本気で抱きしめたんだ?」

笑いながら、血を消毒して絆創膏を貼った。

その時は、ただ変わっている子。力加減のない子。(笑)

そんな事しか思っていなかった。