「はあー。満腹満腹!!」

「あはは、まことちゃんの食いっぷり凄すぎだよ!私なんか貧弱だから
あんまり食べれないんだあ...」

確かにゆかこは細い。なんだか色白くて、どこか寂しげな目をしている。

「そうなんだ!!でも、私の食べてる所見たらみーんなお腹空いてくるってゆうだあ!!これから毎日、見せてあげる♪」

そうゆってゆかこの顔を見ると、目をまんまるにさせて、こっちを見ていた。

「な、なーんてねー!あは、冗談冗談♪私なんか見てると胸糞悪いよね!男子によく気持ち悪がられるよ!」

「ち、ちがうのっ!!これから、毎日食べてくれる...って事だよね?
嬉しい!!」

(ギュ)

(な、なんだこの展開...もしかしてこの子、あっち系...?)

本当にそうだとすると、今すぐに縁を切りたい。

(ガリッ)

「わっ!」

…物凄く脇腹に激痛を感じる。
それになんだかじんじんする。

今ゆかこの目が一瞬だけ血走っているように見えた。
目が離せなかった。

あれ...?ここどこ...

確かここは体育館の物置の倉庫だ。

だかやけに古い。気のせいか...

「とにかく出なきゃ」

そう思ってドアノブに手をかけるが、開かない。

外からは聞いたことの無い女の子たちの笑い声が聞こえる。

「なっ、なにしてるの?ここから出してよ!ねえ!ねえってば!」

まるで私の声が聞こえてないように、永遠と笑っている。

なにも面白くない。

むしろお前らのしている事が漫画臭くて笑える。

そんな事を思っていると笑い声が聞こえなくなると共に、
どこかへ行く足音だけ聞こえる。

「う、嘘でしょ...?嫌よ、こんな所に閉じ込められるなんて」

必死にドアノブを回して、とにかく助けを叫んでみたが、返事は無し。

(どうして私が...?どうして私ばっかなの?ねえ...)

いつの間にか身体が動いていた。

ロープを天井にかけている。

なにしてるんだろう。私。

そして台の上へ乗り、ロープに首をかけた。

(...苦しい。嫌だ。まだ死にたくない。嫌だ。嫌だ。どうして。どうして...)