ある日突然だったんだ。

誰も、こんな事になるなんて思ってもいなかったんだ。


私の名前は大原誠。(おおはらまこと)

高校1年生で、ここの学園に入った。中学の頃仲の良い子とも離ればなれになってしまい、今まで1番恐れていたことが起きた。


ボッチ。


田舎から引っ越してきた私にとって都会に馴染むことなんて到底無理だと思っていた。

周りは今どきの“ギャル”ばかり。

耳を澄ますと、「だりー」だの「うぜえー」と言う文句しか聞こえない。

あぁ。神様...ここに私と同じような真面目な女の子はいませぬか...?

なんて思っていた時だった。

「ねえ」

「はっはいぃぃいいい!!!!!!!!!!!!!!」

急に肩をたたかれ私はまんざらでも無かった。

話しかけてきてくれたのは同じクラスの、子...?

ん、やばい。頭が混乱してる。転校して来て早くも3ヶ月たっていた今、
この子の名前が思い浮かばないではないか。

どこまで最低なんだ...自分は...

私がおろおろしている間に、“彼女”の歯がぎしぎし音を立てていた事に
その時の私はちっとも気づいてもいなかった。


「はらゆかこ」

「へっ?」

「はらゆかこってゆうの!よろしくね」

「あっ!ご、ごめん。私忘れっぽくてさ、よく忘れるんだよね
ゆかこ・・・ちゃんかど、どうかしたの?」

「一緒にお昼食べようよ!あの...いっつも1人だったじゃない?
私、貴方みたいな子見るとほっとけなくてさ...」

なんていい子なんだ。

ああ。神様ありがとう。やっとの思いで、友達が出来た。

そう思っていた。そう、思って…たんだ。

どうしてその時の私は、気付かなかったんだろうか

大事なことに。

この出会いが、これからの私の人生を狂わせる事になるなんて。