今、屋上に来ている。今はお昼なんだ。私たち美月、優、木島くん、と私は

そこで食べることにした。

「はぁっ、まだ午前中終わっただけなのに疲れた。」

「それ俺も思った…、休み明けってきついよな」

優と木島くんが何かと分かちあっている。

「ねえ、杏里ちょっと聞きたいことあるんだけどさ」

ん?なんだろう、しかも耳打ちで

「杏里ってさ黒崎さんの事好きなの 」

「ええっ!な、なんで!?」

考えたこともなかった、好きという言葉。

「お、おい杏里どうしたんだよ、急にでけー声だしてよ」

「びびったわ、どーかしたか ?」

驚いている優、反応した顔むっちゃ変。クスクス笑う。

「別にー!今は女子トーク中〜。」

「あーそーですか!!杏里が女子とか…」

その瞬間私はグーぱんっ。

「で、どーなのさっ杏里。」

「好きかって言われてもよく分かんない、好きっていう感情がよく分かんないから。」

好きってドラマとかでよく見るけど、どんなのかよくわからない。

だってドキドキなんてしたことなかったしさ。

「そっか、いつかわかるよ。その気持ち。」

いつかわかるか…一生わかんないよーな気がする。 そーだっ

「ねぇ、優、木島くん。聞きたいことがあるんだけど…」

「何だ?」

「何?何でも聞いて」

止めに入ろうとしている美月、けどそんなの気づいていない私は

「好きってどーゆー感情なのかな、いまはなしてたんだけど…」

「……」

「……」

ニッコリ固まるふたり、えっえっ?

「どーひたんだ!!急に!なんか綾瀬に言われたのか!?」

「おいっ変なこと吹き込むなよな!」

優が慌ててる、なぜか木島くんまでオロオロ。どっどーしたの二人とも

「誰かにそんな感情ができたのか!?やめとけっお前にはまだ早いっ」

「早いって…優、あんた子供扱いしないでよ!!」

イラッとした私は反撃した。あーもうイライラする、優見てるとイライするわ。その時

「よーすっ杏里ちゃん。そして1年生の諸君、みんなここに集まって弁当?」

「えっ誰かはいって…って」

ニコニコして入ってきたのはまさしく黒崎先輩だった、今でもドキドキしてる。

あの時のこと。そんな私を見ていた木島くんに気付いた私は、目を逸らした。

その後に入ってきた先輩らしき人。

「こんちゃーっす!初めましてー杉上健(すぎうえけん)でぇーす」

とってもチャラチャラしてるな…軽そうな感じが無理、でも隣では…

「杉上先輩…。」

目をハートにしちゃってる美月だった。えっまさか追いかけてきた先輩って…

「なっなんでチャラ男なんかについて来て…」

はっと口を塞ぐが遅く、ニコ顔の杉上先輩がこちらを見た。そして近づいて来る。

やばいっ

「チャラ男で悪かったねー♪。杏里ちゃん言うねー。」

「ひぃぃ…」

うぅ、最後の音符らへんが怖かったよぉー、そこへ助け舟が

「あのー先輩方、何しにきたんですか?」

「はっそれ思いました。なんできたんですか?」

「なんで?♪」

やばいっ杉上先輩ちょーこえーっそれにしてもナイスな質問よ優。

「あぁ、武西(たきにし)と澤口(さわぐち)みなかったか?お前らと同じ1年何だが」

「武西と優か」

ん?優って言った?今、木島くん優っていったよね?驚きが隠せない

「きっ木島くん!優って言った?今」

「あ、あぁ。澤口ってやつも優っていうんだ。武西なら図書室行ってたの
なら見た、彼女連れてた。」

「ほんとか!あのやろー俺より先に彼女いるのかよっサンキュなっ」

そして2人は出ていった。美月は目がハートのまま。優と私はさっきの「優」

って単語に考え木島くんは1人お昼を食べていた。

「あっそーだ。私お昼先生に資料頼まれてるんだった、先に行ってるね。」

「おう、じゃーな」

私は屋上の扉を開けて出た時、そこに立っていたのは…

「黒崎先輩?どーしたんですか、先に行ったんじゃ…」

「杏里ちゃんを待ってた。」

ドキッどうしてそんなにサラッと言えちゃうんだろう。慣れてるのかな

「そ、そーなんですか!じゃぁいきましょ…。」

「そんなに急がなくてもいいじゃん。」

ドンッ 私の横には力強そうな腕、この状態は壁ドンというやつですか、恥ずかしく

なってしたを向いてしまった私にこう言った。

「杏里ちゃんさ、好きなヤツとかいんの?「

「な、なんでそんなこときくんですか?」

顔を上げるとそこには真剣な顔があった。目をみると次は先輩が目を逸らした。

「悪い、俺どーかしてた、資料運ぶんだろ?手伝う。」

耳まで真っ赤だよ、先輩。クスッと笑う私。

「あっ笑ったな。」

「わっ笑ってません!かわいいだなっておもってませんからっ」

強がって言ってしまってちょっと声が上ずった。

「本音でちゃってんだなっ杏里の笑ってる顔、俺ちょー好きだわっ安心する。」

「あ、ありがとうございます…ぅ?」

ニコッとした先輩、やばい顔が熱い。

「杏里はかわいんだからずっと笑ってろよ。泣きたい時は俺が聞いてやる
から…な?」

先輩の甘い声が私の心に響く。ドキドキやばいよ私、なんでそんなに優しくしてくれ

るんだろう。そうこうしているうちに職員室についてしまった。

「ありがとうございました。」

「手伝ってくれるんですよね?じゃあ先輩は待っててくださいっ」

「おうっ行ってこい。」

ニコッとするその笑顔、かっこ良すぎだよ先輩。

私はこのときもドキドキは収まらなかった…