先輩がいなくなった後、教室に向かおうとしたら手を取られ引かれた。

そこには優が真剣な表情で下を向いていた。

「あっごめんね優、早く教室行こっ!」

でも手を離してくれない。時間はどんどん過ぎていく。でも優は意を決したように

私の目を見た。

「杏里、お前はあいつのことが好きなのか?」

何を急に言うのかと思ったらそんなこ……っえ?

「はっ?何急に」

「だよな、ごめん。でも本気なんだ。答えてくれ、頼む!!」

やばいっ優がいままでにないくらい真剣なんだけどってか、ちょっとかっこいいかも…

ちょっとだからね。

「あいつって誰?」

意地悪して名前まで言わせた。私ってなにかとS?

「黒崎先輩、さっきまで話してた…」

なんでそんなこと聞くんだろう。

「ううん、そんなことないよ。先輩後輩の仲じゃん。仲良くしなきゃっ」

それを聞いた瞬間、ほっとしたのか「ふぅー。」っと息を吐いたのがわかった。

「そっか、すまねぇ、足止めて。教室いくか」

いつも通りに戻った優。なんだったんだろう…まあいっか。私は気にせず教室に入った。

入ったらまず席の場所を調べる。

「あっあった、窓側の1番後ろから2番目」

よしっとガッツポーズを入れて席についた。すると「おっ」った聞こえた。ん?っと見ると

「杏里ちゃーん、私の斜め前じゃん!!よかったー」

「綾瀬さん!話せる人がいてよかったー。」

ホッとしていと、

「おっ星矢もいるじゃん、杏里ちゃんの隣なんだ!こいつね木島星矢(きじませいや)
私中学から一緒だったんだ。」

「星矢です、よろしく。えっと杏里さん?でしたっけ」

「あ、うん!そーだよっ。立花杏里っていいます。」

自己紹介したらニコッと返してくれた。かっこいい人だな、綾瀬さんにピッタリ。

その時、向こうのドアから入ってきた私の幼なじみ。なんか女子に呼ばれてたみたいだ。

あー言ってて結構整ってる顔してるからな。席を見て確認するとこっちへむかってくる。マサカ

「よっしゃ、おれ杏里の後ろだわっ。」

やっぱり、最悪だっ。高校までこいつと一緒だって決まってそこは我慢したけど

席も近くなって神様は意地悪ですか。

「よろしくね、結城くん。お隣だからしゃべれるね!」

やっぱかわいいな。いいなー私なんて…

「うぅっ…」

泣きそうになっていると

「立花は…」

「へっ?」

「立花はだいぶ可愛いほうだと思うよ。」

「へっ?へっ??」

なななんてこと言ってんだ。顔がみるみるうちに赤くなる。

「何?聞こえなかった?立花はだいぶかーわーいーいー方だと思うよ?」

結構強調してきた。そんなことよくサラッというな。慣れてるのかな。

「お、おい。杏里を口説いてるんじゃねーよ!!」

何かと必死な優。そりゃ私も動揺してるけど…だって急にあんなこと言うんだもん。

「べつに口説いてなんかしてねーよ、本音をいったまで。」

「なんかありがと、木島くん。木島くんもかっこいいよ?」

うれしくないわけではなかったから一応お礼を言った。そう私が言うとほんのり赤く

染まったのがわかった。

「ふふっかわい。」

「なっ可愛いとか言うなっ、立花のくせに。」

「なによっ立花のくせにって!」

にらみ合いをしていると

「星矢がかわいいって認める人初めて見たかも…」

え?その言動を考えてみる。それってどーゆー…んー?

「なっ、んなことゆーなよ!本人の前で」

「大丈夫だぞっこいつ、少し天然なところかがあるから。わかんねーと思う」

必死な彼を見ていたらおもしろい。やっぱりSかなっ?とゆーか天然は余計なことゆーな!優

「杏里が笑うとこ久々にみた、俺の前じゃ笑ってくれねーのに」

ちょっと悔しそーな優。おいおいおいっ

「ん?ちゃんと笑ってますけど?あんたがみてないだけでしょーが!!」

もうここ終わりまくってます…はぁっ その時 「キャー!!!!」

「ん?何このなにか出ちゃったよーな黄色い声 」

その後、ガラッとドアが開くとそこには着崩している服装、髪はワックスも何もしていない

ボサボサ頭。女子の目がハートだ、何この学校。イケメン学園かなんかですか?

「お前らとっとと座れ、殺されてーのか?」

「きゃぁー!!!!」

おーい、それ脅しなんですけど…。女子たち、それどっちのきゃーなのだか

「ったくうるせーな、出席とるから返事しねーと半殺しだからなぁー」

半つけても脅しなものは脅しですよ!!先生日本語習った方がいいかも…でも先生が

名前を呼ぶ時、女子の返事は全部語尾にハートマークが付いている。

この人のどこがいいんだか。はぁっとため息ををつくと「立花」と呼ばれた。

後「木島」とも。

「はっはいっ!さっき返事しましたよね?」

「お前は大きなため息をついた、よって放課後居残り資料集め、後昼休憩は職員室に
くるように」

「そんなでかいため息ついてませんし!」

「まあ、罰だ。やれよ?」

ため息ついたくらいでやらなきゃいきないとか最悪。

「そして木島は…、木島!寝るな」

「ん?あぁ先生おはよぉ」

「おはよーじゃねーよ、お前は寝てたからお前も罰で立花とやれっいいな?」

「はぁー?めんどっ」

木島くんって、ホントバカだ、確信してしまった。チャイムが鳴り一限目が始まる。

えーっと確か科学だったはず、移動だから早く準備しないと

「なあ、立花」

すると木島くんに声をかけられた。

「ん?どーしたの?」

「お前さ好きな人いないの?」

な、なんでそんなこと聞くんだろう。

「い、いないよ」

「ふーん、作るきないの?」

なんなんだ、この人は

「作るとかそーゆーのじゃなくて自然と好きになった人と付き合いたいし自分に嘘
つきたくないから」

私何今日であって間もない人にペラペラしゃべってんだろう、ばかみたい。

「そっか、じゃーゆっくり攻めていくかね」

「ん?なんか言った?」

「別に、なんでもねーよ」

そーいって教室を出ていった。なんだったんだろう。

「あいつ、あれでももてるんだよ」

綾瀬さんが言った。それはみたら分かる。笑った時にできるエクボなんてかわいい。

「行こっかあ♡ん♡り♡」

「え、名前…」

「杏里も私の事美月って呼んでよ!」

えへへっと笑う彼女の顔はとってもかわいい。もてそーだなっ、その時

「あのっ立花さん、ちょっと放課後お話いいですか」

見てみると男の子がたっていた。ん?私に言ってるの?でも

「放課後は先生のお手伝いしなきゃいきなくて、ごめんなさい」

そーいうと彼は「そーですか…」というと走って帰っていった。なんだったんだろう。

そう思っているととなりからニヤニヤしている顔があった。

「あれまー杏里、1日目からモテてんじゃん、うらやまだわっ」

「なっ」

「結城くん、これじゃあ嫉妬しちゃうかもねー」

あいつがなんで嫉妬しなきゃなんないのよ、はぁ。すると前方から「キャー」というのか

聞こえた。またイケメン登場?っと思ってチラッと見るとそこには

「おっ杏里ちゃん。」

その正体は黒崎先輩だった。私に話しかけたのを見ていた美月が

「まさか杏里、学園1と知り合いなの!?すごいじゃん」

「学園1って?」

「知らないの?この学園で一番かっこいいと言われる黒崎雄大さん、先輩って言ってるの
あんたくらいだよ杏里」

へ?私だけ?

「黒崎様とか黒崎さんとしかいわないんだよ。」

へ?そんなに偉い人だったんだ。それを見ていた黒崎先輩はクスクス笑ってる。

「だから!あの時初めてって…」

「この学園に来る目的は大体黒崎さん目当てのもの」

えっそれって

「美月も?ってこと」

「わっ私は違う先輩追いかけてきたから」

ボッとなる、かっかわいいわ。でも木島くんは?

「俺ね、思ったんだ。最初くろって言われた時びっくりしたもん」

そ、そーだよね、そりゃ迷惑だよね。

「でも、俺こんなふうに中の自分を見てくれた気がしたから嬉しかった」

ニコッと笑う。

「だからありがとな杏里ちゃん。」

頭をクシャっっとしてくれた。ドキドキっかっかおが暑い。

「せっせんぱい、私達移動なんで行きますね。失礼します。」

やっやばいっ。あんなことされたらだれでも落ちちゃうじゃん。

でもこの気持ちってなんだろう…