その日の午後、沙羅は5階建てぐらいの建物の前に経った。
「うわぁ…」
高い建物とは言えないがとても広く、前に立ってるだけでも重圧感がある。
何人ものスーツを着た人や大きなカメラを持った人が行き交い、紗羅ぐらいの歳の人が来るようなところではないらしい。
「…芸能部ってどこかなぁ。」
紗羅はため息をつくと建物の中に足を踏み入れた。
そこは思ったより明るかった。
紗羅は1つ深呼吸すると、奥のカウンターに近づいた。
「あの、芸能部ってどこにありますか?」
「あ、あなたは…!」
受付に座っていた女性はバッと立ち上がると紗羅をまじまじと見つめた。
「す、StarlightのSara!!」
紗羅はそれを聞いてニコッと笑ってみせた。
「芸能部に用事があって来ました。何階か教えて頂けますか?」
女性はしばらくブツブツと何か呟いていたが、自分を落ち着けるようにもう一度座ると姿勢を正した。
「げ、芸能部は3階の1番奥です。だけど、2人しかいませんよ?どちらに御用ですか?」
「神田正樹さんです。」
「分かりました。少々お待ち下さいね。」

