それは今日のことがあるからだ。 だから俺は荷物を持ち、フェリーを降りる 歩きながらスマホを耳に当てる。 「もしもし」 『あ、貫太?なにー?』 声さえも久しぶりに聞くことに気づく。 間延びしたのほほんとした声。 「柚子、久しぶりに会いたいんだけど。」 『え、うん。じゃあ来週帰るね。』 そんなに軽い感じなのか。 「いや、そうじゃなくて…」