「成瀬くん」



この声は前のあいつだ。



「柚子ちゃん、来たんだね。」


そんなに残念そうに言われても。



柚子が戻ってきたらしい。


Tシャツの裾を後ろから引っ張られる。



喋ってたら柚子が怒る。


「悪いけど、俺が柚子から離れることはないと思うから。」


話を切り上げて柚子の方を見た。



「ぁ、ぅ…か、かんたっ」


「うん?」



「ああ暑いから早く行って帰ろ」


「…うん」



なんか色々と隠せてないわ。


こっちが困るんですけど。