大学1年生の私は近くの私立大学に通っている。
(今日は授業の日…)
嫌な夢を見たあとだ。
できれば外には出たくない。
でも、高い授業料を払っている。
休むわけにはいかない…。
私はのろのろと着替え始めた。
(今日は暑くなるか)
薄手のブラウスとスカート、カンカン帽をかぶり、私は家を出た。
大学までは自転車で。
時間もあるので、ゆっくり走ることにした。
ぼんやりと自転車をこいでいると、猫が飛び出してきた。
キキッー!
急ブレーキをかける。
(猫は!?)
猫は無事だった。
私を見上げる猫の目。
私は猫から目が離せなくなっていた。
大きな鋭い目。
何もかもが見透かされているような美しい目。
ふと、奇妙な感覚におそわれた。
私はその場に倒れた。