あの後日向がしつこく聞いてくるから、気分転換にいつも行かない学校の新館に向かった。

「ん?ピアノの音がする」

音がする方に行ってみると。
そこには昼の焼きそばパン女がいた。

ガラッ

「なに…してんの?」

つい気になって声を掛けてしまった。
だってあまりにも切ない顔をしてたから。

「…香野…麗…さん。」

「ショパンのノクターンでしょ。」

「あ…はい。え…となんでここに。」

「別になんだっていいじゃん。」

「…すいません。」

そう言うと、焼きそばパン女は出ていこうとした。

「切ない顔。」

「え……?」

「もう1度弾いてよ。ノクターン。」

「で、でも…。」

「いいから。」

目を閉じると綺麗で透き通るような音が聴こえてくる。
そうしてるうちに段々眠くなってきて意識が無くなった。