「あ、やっと戻ってきた!」

「香野麗がいた…。」

「え、屋上に!?あそこ穴場だからってお兄ちゃんがかぐちゃんに合鍵くれたのに。」

「香野麗って3年生だったんだ。」

「かぐちゃんって、ほんと興味ないんだね(笑)」

「馬鹿馬鹿しいわ。」

「でもかっこいいと思わなかった?」

「まぁ…うん。」

全然興味なかったはずなのに、あの笑顔が忘れられない。

「明日も行ってみようかな…。」

あ、それより。ピアノ弾きたいな。

「智美!グラウンドピアノってどこあったっけ?」

「えっと、音楽室と映像ルームかな。なに、久々にピアノ病出ちゃった?(笑)」

「まぁーね。智美も来る?」

「今日、塾なんだ…。かぐちゃんのピアノ好きなんだけど残念。」