グイっ

「…はぁ。」

ため息をついて、和香を抱きしめる。

「ちょっと落ち着こ?」

「落ち着けるわけないじゃないっ!!」

「誰に聞いたの?KAORUのこと。」

「…目黒先輩が言ってたって智美が。」

「…あー、多分あんたの友達勘違いしてるよ。」

「…は?」

「オレの元カノじゃなくて、日向の元カノね。」

「…へ!?」

「それに、あいつは『れーーーいーっ。』

バンっと勢いよく扉が開く。

「あらっ、あららっ!?女の子じゃないっ。麗の彼女っっ?」

相変わらずテンションが高い。和香は口をポカーンと開けて固まっている。

「うるさいよ、薫。」

「だってあの麗が…っ。お姉ちゃん嬉しい!!!!」

「お、おおおお姉さんっっ!?!?」

「はじめまして。麗の双子の姉の香野薫です。」

「は、はじめまして!か、神楽和香です。」

「和香ちゃんって言うのね。んもぅ、可愛いーーー!!!!」

今にもキスしそうな勢いで、和香に抱きつく我が姉。

「…オレの和香に抱きつかないで。」

「あらーっ。オレの和香って麗も変わったわね。私が留学してた間にっ。」

ニヤニヤとオレを見る。双子なのに性格は真反対。

「ま、私はお邪魔ね。全く和成まで彼女作っちゃって。…日向は変わってないのね。」

少し悲しげに下を向いたあと

「んじゃ!あとはお2人で楽しんで!」

和香のおでこにキスしたあと、颯爽と歩いていった。