「おっはっよー!かーぐちゃん。」

「智美ー!あれからどーなったのよ。」

すると智美はニヤニヤしながら

「あの和成がね、智美のことは大切にしたいから手は出さないって言ったの。あの和成が!!」

「どの和成よ…」

「ほんとに私のこと大切にしてくれるって。前はほんとにサイテー男だと思ってたけど昨日遊園地行けてほんと良かった。」

どうやらラブラブらしい。
目黒先輩から和成に変わってるし。

「良かったね智美。」

「あ、でもお互いバレないようにしないとファンが怖いよ…。」

周りに聞かれないよう声を潜める智美。
確かに、目黒先輩は女遊びがすごくて誰も本気で相手にしてなかったし、麗さんに至っては高校に入ってから女の子自体寄せ付けなかったらしい。

「…確かに。どう「とーもみ!!」

『きゃぁぁぁ!』

『麗様と和成様がお見えよ!』

声のするほうをみると、目黒先輩とだるそうな麗さんがいた。

「(教室来ただけでこれだもんなぁ。)」

当の本人は気にせずに私達のほうに来る。

「おはよ2人とも。」

「おはよー和成。」

「…おはようござ…っ」

挨拶しようとすると麗さんが後ろから大きな手で口を押さえてきた。

「…挨拶しちゃだめ。」

「おいおい。それはないでしょー麗。」

「…うるさい。」

そのまま上を見上げると、じっとこっちを見つめる目と目が合った。

「…ふふしいへふ。(苦しいです。)」

「あ、ごめん。」

「嫉妬しすぎ、麗ったら。」

苦笑いする目黒先輩とニヤニヤしている智美。

『あのー、お2人はどーゆー関係ですか?』

1人のクラスメイトが私達に聞いてくる。
無視する麗さんの代わりに、目黒先輩が答える。

「この2人も、オレら2人も付き合ってるんだ。」

「ちょ、和成!?」

そんな簡単に言っちゃっていいのかな。

『ええええ!?そんなー!?』

『いやぁぁぁぁ!!』

たちまちクラス中がザワザワする。

「あ、でも智美ちゃんをいじめたら許さないからね?」

「…オレも、和香をいじめたら許さねーから。」

『……はい。』

恐るべき2人の発言威力。
しかも前例があるからね…。

『和香をいじめたら許さねーから。』

って麗さんが言ったとき、後ろからギュッとされた。

「…今日も屋上来てね。」

チュッと頬にキスをすると教室から出ていく。

「待てよ、麗!!あいつあんなにデレデレだったっけ。」

「確かに甘々ですね。香野先輩。」

ほんと恥ずかしい。
こんな皆の前でキスしなくても…。

「じゃ、オレも行くね。」

チュッ

「ちょっとーーー!」

あら。こちらは口にですか。
さすがにクラスメイトも溺愛ぶりに諦めたらしく落ち込んでる人、泣いてる人、知らんぷりしてる人など様々だった。