オレの母親は子供のオレから見ても綺麗な人だった。そして父親はオレを1人前にするために厳しい英才教育をさせる人だった。
もともと母親と父親は政略結婚で父親の片想いだったらしい。
「お前はほんとに馬鹿だ!」
「なんでこんなのもできない?自分を恥じろ。」
毎日のように、父親はオレに罵声を浴びせた。オレは段々自分に自信を無くし、内向的になっていった。
「いい?麗。自分に自信を持ちなさい。」
唯一の心の拠り所が母親だった。
だけど
「お前がそんなんだから麗も馬鹿なんだ。」
不器用な父親は母親にも罵声を浴びせた。母親は段々精神的におかしくなっていった。
「母さん。どこ行くの?」
「ほっといて!」
毎晩のように、出掛ける母親。
多分ホステスに貢いでいたんだろう。
もともと愛なんてない家だったから、母親がおかしくなってからは離婚まで早かった。
母親が家を出ていく朝。小5のオレにとっては衝撃的なものを見た。
「これでやっとあなたと暮らせるわ。」
知らない男と抱擁をしているのだ。
「母さん!誰だよその男っ!」
はっとしたように振り返る母親。
その顔はおかしくなる前の優しい母親の顔をしていた。
「ごめん、ごめんね麗。母さんを許して。」
そのまま母親はオレの前に2度と姿を現さなかった。
その後父親も多少後悔したのか、オレに罵声を浴びせることをやめほっとくようになった。
ーーどうせ女なんて、簡単に裏切っていくんだ。
小5のオレにはとても辛く苦い経験で、もともと内向的だったのが悪化してしまった。しばらく日向と和成とも口をきけなかった。
中学生になってからは、年上の女遊びが激しくなった。心のどこかで母親のような女を求めてたんだろう。でもどいつもこいつも求めてるのはオレの顔だけ。
『麗ってほんとにかっこいいわぁ。年下とは思えない色気ね。』
みんな口を揃えていう。
何千回同じセリフを聞いただろうか。
みんなオレの内面なんか見ていない。
この顔は母親にそっくりだから、尚更自分の顔が嫌いになっていった。
そんな時現れたのがあんた。
オレのことなんてお構いなしに、焼きそばパン食べてるし女が嫌いって言ったらどんな反応するか気になったんだ。
今までの女はみーんな泣くか、色仕掛けで誘おうとしてきた。
「……ってことはゲイ!?」
なんて言われた日から多分気になってたんだと思う。
「オレはあんたの不器用なとこも、人の内側に土足で踏み込もうとする真っ直ぐなとこが好きなんだ。」
ちらっと視線を送ると神楽は真っ赤になっている。
「かわい…。」
つい口にしてしまう。
「…っ///。あのっ!中学の頃は女遊びしてたんですか!?!?」
すごい形相で言ってくるもんだから
「あはははははっ!!!」
オレは大笑いしてしまう。
すると今度は餅みたいに頬を膨らませて。
「そんな笑わなくても…。」
「まぁ…キス以上のことはしてない…と思います。」
「キスはしたんですかぁぁぁぁ!?しかもそこあやふやなんですか!?!?」
バカぁぁぁとオレの胸をポカポカ殴る。
…全然痛くないし。
そのまま神楽を抱きしめ、耳元で
「じゃあ…濃いーキスしてみる…?」
って囁いていじめてみる。
「麗さんの変態っ!」
そんなやり取りをしながら、帰った。
もう母親のことなんて忘れてしまうことができる気がした。
「ありがと。和香。」
「…ぃぇ///」
もともと母親と父親は政略結婚で父親の片想いだったらしい。
「お前はほんとに馬鹿だ!」
「なんでこんなのもできない?自分を恥じろ。」
毎日のように、父親はオレに罵声を浴びせた。オレは段々自分に自信を無くし、内向的になっていった。
「いい?麗。自分に自信を持ちなさい。」
唯一の心の拠り所が母親だった。
だけど
「お前がそんなんだから麗も馬鹿なんだ。」
不器用な父親は母親にも罵声を浴びせた。母親は段々精神的におかしくなっていった。
「母さん。どこ行くの?」
「ほっといて!」
毎晩のように、出掛ける母親。
多分ホステスに貢いでいたんだろう。
もともと愛なんてない家だったから、母親がおかしくなってからは離婚まで早かった。
母親が家を出ていく朝。小5のオレにとっては衝撃的なものを見た。
「これでやっとあなたと暮らせるわ。」
知らない男と抱擁をしているのだ。
「母さん!誰だよその男っ!」
はっとしたように振り返る母親。
その顔はおかしくなる前の優しい母親の顔をしていた。
「ごめん、ごめんね麗。母さんを許して。」
そのまま母親はオレの前に2度と姿を現さなかった。
その後父親も多少後悔したのか、オレに罵声を浴びせることをやめほっとくようになった。
ーーどうせ女なんて、簡単に裏切っていくんだ。
小5のオレにはとても辛く苦い経験で、もともと内向的だったのが悪化してしまった。しばらく日向と和成とも口をきけなかった。
中学生になってからは、年上の女遊びが激しくなった。心のどこかで母親のような女を求めてたんだろう。でもどいつもこいつも求めてるのはオレの顔だけ。
『麗ってほんとにかっこいいわぁ。年下とは思えない色気ね。』
みんな口を揃えていう。
何千回同じセリフを聞いただろうか。
みんなオレの内面なんか見ていない。
この顔は母親にそっくりだから、尚更自分の顔が嫌いになっていった。
そんな時現れたのがあんた。
オレのことなんてお構いなしに、焼きそばパン食べてるし女が嫌いって言ったらどんな反応するか気になったんだ。
今までの女はみーんな泣くか、色仕掛けで誘おうとしてきた。
「……ってことはゲイ!?」
なんて言われた日から多分気になってたんだと思う。
「オレはあんたの不器用なとこも、人の内側に土足で踏み込もうとする真っ直ぐなとこが好きなんだ。」
ちらっと視線を送ると神楽は真っ赤になっている。
「かわい…。」
つい口にしてしまう。
「…っ///。あのっ!中学の頃は女遊びしてたんですか!?!?」
すごい形相で言ってくるもんだから
「あはははははっ!!!」
オレは大笑いしてしまう。
すると今度は餅みたいに頬を膨らませて。
「そんな笑わなくても…。」
「まぁ…キス以上のことはしてない…と思います。」
「キスはしたんですかぁぁぁぁ!?しかもそこあやふやなんですか!?!?」
バカぁぁぁとオレの胸をポカポカ殴る。
…全然痛くないし。
そのまま神楽を抱きしめ、耳元で
「じゃあ…濃いーキスしてみる…?」
って囁いていじめてみる。
「麗さんの変態っ!」
そんなやり取りをしながら、帰った。
もう母親のことなんて忘れてしまうことができる気がした。
「ありがと。和香。」
「…ぃぇ///」