「かぐちゃん、最近屋上行かないね。なんかあった?」

「麗さんを平手打ちした…。」

「ええっ!?!?」

あれから気まづくて、屋上にも行ってないし顔を合わせないために教室から出ていない。そうこうするうちに一ヶ月経ってしまった。

「…私が悪いんだけどね。」

「よっ。ぐら!」

「そのぐらって呼び方止めてくれませんか?歌川先輩。」

その代わりと言ってはなんだが、歌川日向が頻繁にクラスにくるようになった。

「ひっでーーな。オレとお前の仲だろ!?」

「なんで、毎日来るんですか。」

「好きだから。かな?」

テヘっと舌を出してとぼける。

「…きも。」

「ひ、ひどいわ!ぐらったら。」

でも何だかんだ、この人のおかげで麗さんのことを考えないで済んでいる。

「あ、そうだ!オレとぐらと智美ちゃんと和成で遊園地行かない?明日。」

「「…え?」」

「オレら2人と遊べるなんて、光栄なことだぞぉ。じゃ明日駅に13時集合な!」

私達2人の返事など聞かずに去っていく。…もちろん黄色声を残しながら。

「どーする?智美。」

「…目黒先輩嫌い。だけど、行ってみるのもいいかも。」

「んー。じゃあ行くか…。」