「あ……。」

「どーしたの?かぐちゃん。」

「お弁当忘れちゃったよ。智美…。」

「あら。食堂行く?着いて行こうか?」

「ううん。大丈夫。行ってくる。」

ほんとは食堂なんか行きたくない。
だって…。

『香野様がお昼を食べていらっしゃる!』

『歌川様も目黒様もお美しい!』

『3人お揃いなんて珍しいわね!』

お祭り騒ぎなんだもん。しかも今回は3人いるってことで女の子達が大騒ぎ。

この3人っていうのは、香野麗、歌川日向、目黒和成のこと。私達が通う学校のアイドル的存在……。馬鹿馬鹿しい。

「あーもう、ご飯食べれないじゃない。」

仕方なく購買に行って焼きそばパン買っていつもの場所に行く。
誰もいない静かな場所。

キィィ…
「(んーー!!いい天気!!)」

伸びをしてため息をつく。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

『……だれ。』

誰もいないはずなのに、声が聞こえた。