『…あ、麗?ちょっとこっち来て。』

授業が始まる1分前。
和成が呼び出すってことはよっぽどの事かなー。
そう思いつつ歩いていると

「…神楽…!?」

ビショビショになっている神楽がいた。

「なんで、そんな濡れて「こ…うのさん。」

バタッ
「おいっ!!しっかりしろ!神楽!」

駆け寄っておデコを触ってみると

「…すごい熱…。」

こーゆー時は保健室ってのが普通なんだろうけど…

「確か…あったはず。」

オレしか行かない温室には、色々備えてある。ベッドもあれば、薬も、飲み物も全て揃えている。
仕方ない。おぶっていくしかない。

「…軽すぎだよ…ばか。」

「こう…の…さん…?」

「…どーした?」

「…せ…なか。…温かい。」

「もう寝てな。今運んでやるから。」

「……。…ごめんなさい。」

と言うと、寝息をたてて寝てしまった。

「………可愛い。」

ボソッと呟くと足早に温室に向かった。