昼休み

『目黒くん、ちょっと良い?』

教室に見慣れない可愛い女の子がきた。

「ん?いーよ。」

「おいっ!!もう授業始まんぞ!?」

「…日向。いつものことじゃん。」

わめく日向とは正反対に、諦めモードの麗。

「ごめん2人とも。ノート取っといて。」

「ふざけんなよぉぉぉ!和成ぃぃ!」

叫ぶ日向を尻目に、女の子のほうに行く。

「おまたせ。」

『…うん。』

自分で言っちゃうけど、オレはかなり遊んでいる。他の2人に比べて。

「(ま、可愛い子限定だけど…。)」

日向のファンのようにケバイ女には興味ないし、麗のファンのようなお綺麗なお姉さま方にも興味はない。

連れてかれたのは体育館裏。
そこで目にしたのは

「…和香ちゃんじゃん。」

5人組にいじめられてる和香ちゃんだった。

『…助けてあげて。』

オレを連れてきた女の子は言う。

「あー…そーゆーこと(笑)」

ちょっと期待してたのになぁ。残念と思いつつ、集団に近づいて行くと

バシャ

5人組の1人がバケツで水をかける。

「…ちッ。あれ日向のファンじゃん。」

昨日の話誰か聞いてたのかな。

「なーにしてんの?」

オレが近づくと、顔が引き攣るケバイ女達。んで、少し怒鳴ると逃げて行った。

「ほんとに目黒さんですか…?」

今にも泣き出しそうな顔してる。
こんな時にいて欲しいのはやっぱ…

「…あ、麗?ちょっとこっち来て。」

和香ちゃんを送り出したあと、麗に電話した。

「ありがと…。えっと、」

『大宮…智美です。』

そう言って微笑んだ。