「……わかりましたよ。静かにすればいいんで」

「しょ……。」

……え、いま、口重なった?

(え、ひろ?)

「ひ、ひろ?今のなに?」

鼓動がどんどん速くなる。

頭のはしから足のさきまで熱い。

頭は真っ白になって考えることすらできない。

そして、ひろはゆっくり口を開けた。

「俺、お前のこと好きだよ。」

「……。」

「 え?」

(ひろが、わたしのことを?……好き?)

「な、なにゆってんのー、ひろはほんま嘘下手やなー!」

「嘘じゃないよ。俺はずっとお前のこと好きだったよ?」

(……ずっと?)

その言葉に心臓がさらに跳ね上がる。

頭は否定し続けてるのに、鼓動はおさまらない。

(な、なにか言わないと、この空気はやばい!)

「と、とりあえず入学式にいこーよ。せんせー来ちゃうしさ?ね?」

「……。」

「そーだね。」

私はほっとした反面ひろがとても怖く見えた。

ひろってこんな人だった?

そんな思いを抱え入学式をむかえた。