「キスも口じゃないし、腕組はそっちの方が、店にはいりやすいだろうから、っていう姉貴の提案。 ジュエリーショップには、これを買うために。」 と京也は私の左手を取り、薬指に指輪をはめた。 『これ……』 「そう。結婚指輪。 あとね、最近帰らなかったのは、この指輪の打ち合わせに時間がかかちゃって。 情報漏洩しかけたのもあるけど。」