彼は御曹司





『だから、私、この家、出ていくね。』


私はそう言って、自室に戻り、まとめておいた荷物を持ち、玄関へ向かった。



ガシッ

京也に腕を掴まれた。

『離してよ。』

「離さない。」

『離して。』

「離したら、奈子、出ていっちゃうでしょ。」