「ようちゃんは、本当にそれで良かったの?
あんなに好きだったのに…詩春ちゃん、富山で就職活動して、アパートも探して、ずっと遠距離だったようちゃんと一緒にいられるように高校卒業して東京から富山に一人で出てきてくれたくらいだったのに…後悔してないの?もう好きじゃないの?」

私からの問いかけに、陽太は静かに…そして真剣に答える。

『詩春と別れたことは何も後悔してないよ。
もちろん、出会って好きになったことも後悔してないし、すごく好きだったよ』

「うん…」

『だけどお互い好きすぎて、周りが…世界が見えてない。
まだまだ人生長いし、人生は一度きりしかないから…お互いに縛られず、もっと色々なものを見たり、色々な人と関わりたいんだ』

「うん…」

『それでも、やっぱ詩春が一番だなって思ったらまた戻ればいいし、もしかしたら詩春よりももっともっと好きになる人ができるかもしれないだろ?
だから詩春一人に捕らわれずに、もっと色々考えて感じてみたいから後悔してない』

「そっかぁ…」