あまりにも突然すぎる話題に驚いて、変な声で返事をしてしまった。

『だってもう前の彼氏と別れて一年は経つじゃん?』

「そりゃあそうだけど…」

そう。陽太が言ったとおり、私には短大入学直後から丁度半年間付き合っていた彼氏…利久(りく)がいた。
私が通う短大にはクラス制があり、利久とは短大のクラスが一緒で出席番号が近く、座席指定ありの講義によっては隣の席になることがしょっちゅうだった。
だが、利久は私と付き合い始めて数ヶ月後、短大内の別の学科生で同い年の…私とは真逆のタイプの女の子に浮気をしていた。
それに気づいた私が利久と別れたのが、丁度一年前の出来事になるのだ。

『今思い出してもホントにクソみたいな元彼だったなぁ』

陽太には利久のことをよく相談していたので、私から聞いた話を思い出しながら、陽太はそんなことを呟いていた。

「まぁ、クソみたいな元彼でも私にとって初めてできた彼氏だったし、すごく好きだったんだよ」