「幸せだったから…悲しかった…」
幸せが大きすぎるほど、失う時の悲しみも大きくなる。
『永遠』なんて無いのだから。いつか必ず、終わる時がくるのを、あたしは痛いほど知ってる。
「…お前の…考えてる事はわからないけど、1つ分かることとしたら、お前の痛みはお前にしか分からないって事だ」
「うん……」
あたしにしか分からない。説明したって、他人事でしかないもんね。
それでも、蓮さんには話してしまった。それは何で……。
「……………行くぞ」
そう言って、蓮さんはベッドから出て、あたしの頭を撫でる。
「…えっ?行くって…?」
突然どうしたんだろう。
蓮さんは戸惑うあたしを無視して、パジャマを着たままのあたしに近付いてくる。
「……着替えろ」
「ぶふっ!?」
蓮さんはリュックをあたしに向かって投げた。それが見事に顔面ストライク。
「…痛いよ蓮さん…」
「……あ…悪い…」
一番被害の酷かった鼻をさすった。痛いの痛いの飛んでけっ…。
それにしても…「あ…」って…。蓮さんも予定外だったんだろうけど、リュックを投げなくても……。


