「蓮、醤油ちょうだい」
「…あぁ…」
―ジャボジャボジャボ…。
焼いたばかりの鮭に醤油を浸かるくらいにかける。
浸るくらいが美味しい。
「…夢月……それかせ」
あたしから鮭の皿を奪い取ると、自分の鮭の皿に余分な醤油を移した。
「あぁっ!!醤油がぁ…」
「…体に悪いだろ。あんまりかけすぎるな。鮭が醤油の海で泳いじまってるだろ」
ムッとしながらも、自然と頬が緩むのが分かる。
あたしの体を一番に心配してくれる。食べ物に関しては最近うるさいくらいに注意される。
それでも…蓮があたしの心配をしてくれる事に心が満たされている。
愛されている…そう実感できるから…。
蓮と向かい合って食事をするのは、これで何回目かな…。
出来る事なら…。
叶う事なら…。
こうしてずっと…普通に朝ごはんを一緒に食べて、一緒に笑って…同じベッドで寝て…。
この普通がずっと続いたらいいのに…。


