ルイは覚えていないのね。




あの転げ落ちた林檎みたいに…
小さく真っ赤な恋心は消えることもなく…。



一年前の今頃。


「ルイくん、今日から新しい
パテシエが来たから色々見てあげて」


「はい」

あたしの中で

止まっていた時間が動き出したのー。


金髪で碧い瞳の色の…

林檎を拾ってくれた…お兄ちゃん。