冬の夜空に咲いた嘘。



相手をしてくれない主人に対し
だんだんと腹がたってしまうようになっていた。


嫌いになったわけじゃない。
寂しかったから、きっとそんなことを言うようになったんだろう。


「マダムが
眠れてないのではないかと
旦那さまが心配しておられました」

「そう」と
そっけなく返事をしてしまう。

いつからこんな嫌味な貴婦人になってしまったんだろう。