それでも私がお嫁にいったのは 主人がとても優しそうだったから。 ええ、その感は間違ってはいなかった。 本当に優しい人だったから。 でも、仕事の関係で主人は家をあけることが多くあった。 「忙しいのはわかるけどさ」 なんて独り言を呟いていた。 そんな時だった。 扉がコンコンと小さな音を立て 「失礼します」と 男が部屋に入ってきた。