「美味しい?」
「うん」


「手をお出し」
言われるがまま、手をだした。

結んでいたネクタイを外し
あたしの手首に巻き付けた。

「転んで手首を怪我したんだろ?
血はでてないけど。
固定したら痛くないから」


「うん。ありがと。お兄ちゃん」

「どういたしまして。
気をつけて帰るんだよ」


「うん。ねえ、またチョコレートを
アルムにくれる?」

「もちろん、お気に召したなら」